饗宴外交の舞台裏 (99)

沈黙と大拍手で祝われたエリツィン最後の晴れ舞台

執筆者:西川恵 2006年4月号
エリア: ヨーロッパ

 ロシアのエリツィン元大統領の七十五歳の誕生日を祝う晩餐会が二月一日、クレムリン宮殿でもたれた。 プーチン大統領が主催した晩餐会には、元大統領と親しい三百人が内外から招かれた。クリントン元大統領(米)、コール元首相(独)、ルカシェンコ大統領(ベラルーシ)、ナザルバエフ大統領(カザフスタン)、クチマ元大統領(ウクライナ)、アカエフ元大統領(キルギス)。国内からはチェルノムイルジン元首相、ガイダル元第一副首相、ロシア人チェロ奏者のロストロポービッチ氏……。ただ、ゴルバチョフ元ソ連大統領の姿はなく、関係は冷たいままであることを窺わせた。

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執筆者プロフィール
西川恵(にしかわめぐみ) 毎日新聞客員編集委員。日本交通文化協会常任理事。1947年長崎県生れ。テヘラン、パリ、ローマの各支局長、外信部長、専門編集委員を経て、2014年から客員編集委員。2009年、フランス国家功労勲章シュヴァリエ受章。著書に『皇室はなぜ世界で尊敬されるのか』(新潮新書)、『エリゼ宮の食卓』(新潮社、サントリー学芸賞)、『ワインと外交』(新潮新書)、『饗宴外交 ワインと料理で世界はまわる』(世界文化社)、『知られざる皇室外交』(角川書店)、『国際政治のゼロ年代』(毎日新聞社)、訳書に『超大国アメリカの文化力』(岩波書店、共訳)などがある。
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