饗宴外交の舞台裏
饗宴外交の舞台裏(99)

沈黙と大拍手で祝われたエリツィン最後の晴れ舞台

西川恵
執筆者:西川恵 2006年4月号
カテゴリ: 国際
エリア: ロシア

 ロシアのエリツィン元大統領の七十五歳の誕生日を祝う晩餐会が二月一日、クレムリン宮殿でもたれた。 プーチン大統領が主催した晩餐会には、元大統領と親しい三百人が内外から招かれた。クリントン元大統領(米)、コール元首相(独)、ルカシェンコ大統領(ベラルーシ)、ナザルバエフ大統領(カザフスタン)、クチマ元大統領(ウクライナ)、アカエフ元大統領(キルギス)。国内からはチェルノムイルジン元首相、ガイダル元第一副首相、ロシア人チェロ奏者のロストロポービッチ氏……。ただ、ゴルバチョフ元ソ連大統領の姿はなく、関係は冷たいままであることを窺わせた。 一九九九年十二月三十一日に辞任し、ナイーナ夫人とモスクワで悠々自適の生活を送っていた元大統領が公的な場に姿を現すのは六年ぶり。現役時代は足元もおぼつかないほど衰えていた体力も回復し、「政治は人を老いさせる。辞任して私は若くなった」と招待客を笑わせた。 クレムリン宮殿の「ゲオルギエフスキーの間」でもたれた晩餐会のメニューである。 洋ナシのゼリー寄せにカムチャツカのカニ肉 フォアグラのテリーヌ 新鮮な野菜とアザミ茸を詰めた雉のフィレ チョウザメの皇帝風キャビアのアスパラ添え

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執筆者プロフィール
西川恵
西川恵 毎日新聞客員編集委員。1947年長崎県生れ。テヘラン、パリ、ローマの各支局長、外信部長、論説委員を経て、今年3月まで専門編集委員。著書に『エリゼ宮の食卓』(新潮社、サントリー学芸賞)、本誌連載から生れた『ワインと外交』(新潮新書)、『国際政治のゼロ年代』(毎日新聞社)、訳書に『超大国アメリカの文化力』(岩波書店、共訳)などがある。2009年、フランス国家功労勲章シュヴァリエ受章。本誌連載に加筆した最新刊『饗宴外交 ワインと料理で世界はまわる』(世界文化社)が発売中。
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