習近平「中山服ファッション」の読み方

野嶋剛
執筆者:野嶋剛 2014年4月8日
エリア: 中国・台湾

 オランダを先日訪問した習近平国家主席が、オランダ国王との晩餐会で披露した中山服ファッションが話題になっている。

 訪日の際、江沢民が宮中晩餐会に中山服で参加するというケースはあったが、基本的には海外訪問ではスーツにネクタイという欧米スタイルだった胡錦濤や江沢民の時代にはない「破例(前例を破る)」だったからだ。中国の「都市報」と呼ばれるタブロイド新聞はこぞって1面トップで習近平の写真を載せ、「習近平は中山服で外交を推進する」とはやし立てた=写真。

 中山服は、孫中山という別名があった孫文が中華民国の建国の時に、中国の伝統的王朝の文化からの決別の意味を込めて、簡素かつ動きやすいという観点から導入したものだ。孫文が日本滞在中に見た男子学生服や陸軍軍服が原型という説もある。基本的に、欧米の軍服などを参考にしたとも言われるが、確かに日本の学生服にもどこか似ている。

 もともとは、折れた衿、5つのボタン、ポケットは4つ、袖のボタンは3つ、背中に縫い目はつけず、色は黒や紺やカーキ色など落ち着いたものだった。

 中山服は中華人民共和国でも使われ、改革開放が進んだ1990年以前は公式の場で指導者は必ず中山服だったし、庶民も普通の生活で着用していた。

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執筆者プロフィール
野嶋剛
野嶋剛 1968年生れ。ジャーナリスト。上智大学新聞学科卒。大学在学中に香港中文大学に留学。92年朝日新聞社入社後、佐賀支局、中国・アモイ大学留学、西部社会部を経て、シンガポール支局長や台北支局長として中国や台湾、アジア関連の報道に携わる。2016年4月からフリーに。著書に「イラク戦争従軍記」(朝日新聞社)、「ふたつの故宮博物院」(新潮選書)、「謎の名画・清明上河図」(勉誠出版)、「銀輪の巨人ジャイアント」(東洋経済新報社)、「ラスト・バタリオン 蒋介石と日本軍人たち」(講談社)、「認識・TAIWAN・電影 映画で知る台湾」(明石書店)、訳書に「チャイニーズ・ライフ」(明石書店)。
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