党中央宣伝部の「恫喝」が通じなくなった

執筆者:藤田洋毅 2006年4月号
カテゴリ: 国際
エリア: 中国・台湾

どんなに強権を発動してメディアを抑えようとしても、足元が崩れ始めている。中国社会の変化の大きさは権力側の想像を超える。○湖南省の「××報」が二ページを使って特集した「強盗殺人集団を逮捕」の記事には問題が多い。ほぼ二年にわたり一家殺害などの凶悪犯罪を重ねてきたと記しているが、かくも長く凶悪犯が見逃されてきたと明示すれば、人民の不安を煽り当局の治安維持能力の欠如を浮き彫りにする。しかも、犯罪の手口を詳細に紹介しており模倣犯を誘発しかねない。○重慶市の「△△報」は、資金不足のため従業員寮の建て替え費用を地元のある民営企業に仰いだ。企業側は純粋な寄付行為としているが、広告の大口契約者であり編集紙面にも影響が出るのは避けられない。全面的に私営企業との交流を断絶しなければならない。 中国共産党中央宣伝部の新聞局が、国内メディアの編集幹部を指導するため毎月二回発行している「内部通信」の指示は、例のように実に細かい。手元にある約一年分の号をもとに平均的な内容を紹介しよう。B5判全十八ページで、積極的に報道すべき指導者の発言や重要政策を解説する評論員論文を冒頭に置く。以下、たとえば「報道注意」のコーナーでは「重大な環境汚染事故では報道機関の独自取材を許さず、国家環境保護総局が統一してニュースを発表する」との規定に注意を促し、「ネット媒体」欄ではいかに有効にインターネット情報を管理しているかを紹介する。

この記事は役に立ちましたか?
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
この記事をSNSにシェアする
執筆者プロフィール
comment:0
icon
  • 記事の閲覧、コメントの投稿には、会員登録が必要になります。
フォーサイトのお申し込み
価値あるバックナンバー
注目記事ランキング
  • 24時間
  • 1週間
  • f
  • 新着
  • 高評価
  • コメント数順