北朝鮮「最高人民会議」を終えて(上)「金慶喜」退出の危うさ

執筆者:平井久志 2014年4月18日
エリア: アジア

 北朝鮮は4月8日に朝鮮労働党政治局会議を開催し、翌日の9日に最高人民会議第13期第1回会議を平壌の万寿台議事堂で開催した。最高人民会議の第13期代議員(国会議員)は金正恩(キム・ジョンウン)体制に入って初めて改選されたメンバーである。昨年末の張成沢(チャン・ソンテク)氏の粛清、処刑もあり、金正恩第1書記の「唯一的領導体系」確立に向けて大きな世代交代、権力機構の改編などがあるのではという見方も出たが、結果的に大きな変化はなく、世代交代や金正恩第1書記の新体制構築よりは安全運転による政権安定を目指した内容となった。

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
平井久志(ひらいひさし) ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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