北朝鮮「最高人民会議」を終えて(下)対日外交の司令塔は?

平井久志
執筆者:平井久志 2014年4月18日
カテゴリ: 国際 外交・安全保障
エリア: 朝鮮半島

新登場の趙春龍氏は軍需産業責任者か

 9日、平壌で開かれた最高人民会議第13期第1回会議。代議員証をあげて賛意を表する代議員たち (C)朝鮮通信=時事
9日、平壌で開かれた最高人民会議第13期第1回会議。代議員証をあげて賛意を表する代議員たち (C)朝鮮通信=時事

 国防委員会の副委員長人事では、粛清された張成沢党行政部長に代わって崔龍海氏が委員から副委員長になり、金永春(キム・ヨンチュン)元人民武力部長が解任され、先述のように軍長老の李勇武、呉克烈両副委員長は留任した。国防委員では、朴道春(パク・ドチュン)党政治局員、金元弘(キム・ウォンホン)国家安全保衛部長、崔富一(チェ・ブイル)人民保安部長が留任し、朱奎昌(チュ・ギュチャン)党政治局員候補、白世鳳(ペク・セボン)第2経済委員長、金格植(キム・ギョクシク)元総参謀長が解任された。代わって張正男(チャン・ジョンナム)人民武力部長と趙春龍(チョ・チュンリョン)氏が新たに委員に就任した。

 張正男人民武力部長は、金正恩時代になり台頭した軍人である。金永春元人民武力部長の更迭と張正男人民武力部長の委員就任は、軍部の世代交代を示すものだ。張正男人民武力部長とともに軍部の核心幹部である李永吉(リ・ヨンギル)軍総参謀長は国防委入りしなかった。

 新たに委員になった趙春龍氏はこれまでまったく報道に登場しなかった人物でその経歴などは不明だ。しかし、白世鳳第2経済委員長の代わりに委員になったことから見て、軍需産業部門の責任者とみられる。ミサイル部門に関係していたために、活動が公表されていないとの見方もある。病気治療などが伝えられた白世鳳氏に代わって第2経済委員長に就任している可能性も指摘されている。

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執筆者プロフィール
平井久志
平井久志 ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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