米国から見た朝鮮半島情勢(中)統一への展望

武内宏樹
執筆者:武内宏樹 2014年4月20日
カテゴリ: 国際 外交・安全保障
エリア: 北米 朝鮮半島

 前回に引き続いて、ブッシュ政権でアドバイザーを務めた、ジョージタウン大学教授のビクター・チャ氏へのインタビューをもとに朝鮮半島情勢を論じてみよう。今回は、この問題を論じるときに避けて通れない問題、朝鮮半島統一への展望を考えてみたい。

 チャ氏は、サザンメソジスト大学タワーセンター政治学研究所でのシンポジウムにおいて、朝鮮半島統一というのは、「現実的か」(practical?)と問われれば答えは「ノー」であり、「望ましいか」(desirable?)と問われれば答えは「イエス」であり、「ほかに選択肢があるか」(Any alternative?)と問われれば答えは「ノー」であると言明した。つまり、統一を目指すというのは多大な困難をともない非現実的であるが、ほかに選択肢がないと表明しているのである。「実現が極めて難しいことを実現するしか選択肢がない」というのは政策立案をする立場の人の発言としては少々無責任といえようが、この問題が直面するジレンマをよく表しているといえようか。

 

韓国による北朝鮮の吸収

 2月28日付『フォーサイト』掲載記事の中で、会田弘継氏が指摘しているのだが、今年2月に公表された国連調査委員会の報告書は想像を絶する北朝鮮の人権問題の深刻さを明らかにしている(「国際論壇レビュー 日本では報じられない『北朝鮮の非道』『中国海軍力の脅威』」参照)。

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執筆者プロフィール
武内宏樹
武内宏樹 サザンメソジスト大学(SMU)政治学部准教授、同大学タワーセンター政治学研究所サン・アンド・スター日本・東アジアプログラム部長。1973年生れ。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)博士課程修了、博士(政治学)。UCLA 政治学部講師、スタンフォード大学公共政策プログラム講師を経て、2008年よりSMUアシスタント・プロフェッサーを務め、2014年より現職。著書に『党国体制の現在―変容する社会と中国共産党の適応』(共編著、慶應義塾大学出版会、2012年)、Tax Reform in Rural China: Revenue, Resistance, Authoritarian Rule (ケンブリッジ大学出版会、2014年)。ほかに、International Relations of the Asia-Pacific、Japanese Journal of Political Science、Journal of Chinese Political Science、Journal of Contemporary China、Journal of East Asian Studies、Modern Chinaなどに英語論文を掲載。専門は、中国政治、日本政治、東アジアの国際関係及び政治経済学。
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