新たな米国家安全保障戦略が日本に求めた「積極性」

[ワシントン発]三月十六日、ブッシュ政権は新たな「国家安全保障戦略」を公表した。 米メディアの関心は、二〇〇二年九月に出された前回報告書で打ち出され、イラク開戦の理論的支えとなった「先制攻撃(pre-emption)」戦略が今次報告書でも維持されるのか、あるいは放棄されるのかに集中した。 答えは果たしてどちらだったのかといえば、ブッシュ政権は先制攻撃する戦略を維持しながら、同時にテロと戦い、国家の安全を守るための長期戦略を明確にした、というのが正解だ。 戦略報告書をまとめたのは、デューク大学の高名な政治学者ピーター・フィーバー教授(編集部注・本誌二〇〇〇年四号に寄稿。今年二月号に関連記事掲載)である。クリントン政権時代に国家安全保障会議(NSC)で国防政策を担当した経験のある教授は、今回、スティーブン・ハドリー国家安全保障問題担当補佐官の依頼を受けて新戦略を練り上げた。

カテゴリ: 軍事・防衛
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