サポーター文化を考える

星野 智幸
執筆者:星野 智幸 2014年4月25日
カテゴリ: スポーツ

  浦和レッズの声援は、他のどのJリーグクラブの応援とも違って、野太く低く威圧感がある。横浜F・マリノスや鹿島アントラーズの声援が柔らかく、合唱のように聞こえるのに対し、レッズのそれは軍隊歌を歌いながら行進する軍隊を思わせる。その違いの理由は、男声が多いことだ。

 この特色を作り上げたのが、「クレイジー・コールズ」というサポーターの団体だった。レッズの発足時に、男たちを中心として結成され、「反体制」「不良っぽさ」を前面に押し出し、声で圧倒する応援スタイルを築き上げたのだ。クレイジー・コールズはトラブルによって解散するが、「URAWA BOYS」として再スタート。長らく浦和のゴール裏を取り仕切って、よくも悪くも浦和レッズのイメージを担い続けた。差別横断幕事件で解散するまでは。

 

クルヴァ・エストの解散

 3月23日、無観客試合をテレビで観戦する浦和サポーターら (C)時事
3月23日、無観客試合をテレビで観戦する浦和サポーターら (C)時事

 浦和レッズがJリーグより無観客試合の処分を課された後、11のサポーター団体が解散することが発表された。「11のサポーター団体の解散」と言われても、意味のわからない人も多いだろう。

 浦和レッズに限らずどのクラブでも、じつは熱心なサポーターたちは自分たちでグループを組んでおり、ゴール裏にはそんなグループがいくつも共存している。それらのグループが協力して応援歌(チャント)や選手へのコールを作り、音頭を取って応援をリード、グループに属していない個人のサポーターたちもそれに合わせて声援を送るのだ。

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執筆者プロフィール
星野 智幸
星野 智幸 作家。1965年ロサンゼルス生れ。早稲田大学第一文学部を卒業後、新聞記者をへて、メキシコに留学。1997年『最後の吐息』(文藝賞)でデビュー。2000年『目覚めよと人魚は歌う』で三島由紀夫賞、2003年『ファンタジスタ』で野間文芸新人賞、2011年『俺俺』で大江健三郎賞を受賞。著書に『ロンリー・ハーツ・キラー』『アルカロイド・ラヴァーズ』『水族』『無間道』などがある。
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