国際論壇レビュー
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オバマ「アジア歴訪」で気になる軸足移動の「遅れ」と「中国の台頭」

会田弘継
 歴訪国から中国を外したオバマ外交の狙いにも注目 (C)AFP=時事
歴訪国から中国を外したオバマ外交の狙いにも注目 (C)AFP=時事

 厳しい視線を世界から浴びながら、オバマ米大統領のアジア歴訪が、東京からスタートした。この大統領に世界をリードする能力はあるのか――。シリアとウクライナで、プーチン・ロシア大統領の手玉にとられたオバマを見て、同盟諸国は不安に駆られている。中国の横暴を止める力はあるのか。アジアの指導者たちは、疑念を持ち始めている。

 疑念を払拭できるか。歴訪の課題だ。

「アジアへの軸足移動(ピボット)成らず」。大統領訪日を目前に、米有力紙『ワシントン・ポスト』は、1面で伝えた。【Promised ‘pivot’ to Asia falls short, The Washington Post, April 17

 鳴り物入りで始まったオバマ政権の外交・安全保障政策の「柱」であるアジア重視政策が、予定通りに進んでいないというのだ。

 シリア内戦など中東情勢と、混迷するウクライナ情勢が足を引っ張っているのが原因だ。アジア重視の一環である環太平洋連携協定(TPP)交渉も、大統領の与党である民主党が進展を妨げている。ヒラリー・クリントン国務長官、ドニロン大統領補佐官(国家安全保障担当)というエネルギッシュな推進役2人が政権を去ったことも大きい、とポスト紙の記事は言う。

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執筆者プロフィール
会田弘継
会田弘継 青山学院大学地球社会共生学部教授、共同通信客員論説委員。1951年生れ。東京外国語大学英米科卒。共同通信ジュネーブ支局長、ワシントン支局長、論説委員長などを歴任。2015年4月より現職。著書に本誌連載をまとめた『追跡・アメリカの思想家たち』(新潮選書)、『戦争を始めるのは誰か』(講談社現代新書)、訳書にフランシス・フクヤマ『アメリカの終わり』(講談社)などがある。
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