「退潮する茶会党勢力」と「優位に立つ米共和党主流派」

足立正彦
執筆者:足立正彦 2014年5月9日
カテゴリ: 国際 金融
エリア: 北米

 今年11月4日に投票が行われる中間選挙の予備選挙が本格化しつつある。5月6日には、ノースカロライナ州選出の共和党上院議員候補の予備選挙が行われた。計8人が出馬した同予備選挙は大変注目されていたが、共和党主流派が支援したノースカロライナ州議会のソム・ティリス下院議長、草の根の保守派運動であるティーパーティー(茶会党)支援勢力やランド・ポール上院議員(ケンタッキー州)らが支援したグレッグ・バノン氏、マイク・ハッカビー元アーカンソー州知事らキリスト教右派勢力が支援した牧師のマーク・ハリス氏の三つ巴と見られていた。結果はティリス氏が得票率40%以上を獲得して他候補を大差で破り勝利を収めた。

 全国共和党上院選挙委員会(NRSC)は8年ぶりの上院の多数党奪回のための最重点選挙区の1つとして同選挙区を挙げている。共和党の上院での多数党復帰にとり現職の民主党のケイ・へーガン上院議員からの議席奪還が不可欠となるためだ。ティリス氏が予備選挙で得票率40%に達しなかった場合、今夏の決選投票まで上院議員候補の選出が持ち越されるとともに、共和党内の保守勢力と主流派の路線対立も再び表面化することが必至で、そうした事態はヘーガン氏の再選に向け有利になることでもあった。だが、中間選挙の投票日まで約半年となった時点で、米国商工会議所や2012年共和党大統領候補のミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事ら共和党主流派が推したティリス氏の擁立を図れたことで、今後約半年間の選挙キャンペーンで共和党は「へ―ガン再選阻止」に集中することができる。

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執筆者プロフィール
足立正彦
足立正彦 住友商事グローバルリサーチ シニアアナリスト。1965年生れ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より現職。米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当する。
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