「金正恩一元支配」へ進む北朝鮮(下)「黄炳瑞」と「金慶喜」

執筆者:平井久志 2014年5月11日
エリア: アジア

  新たに軍総政治局長に就任した黄炳瑞氏は、韓国統一部の資料では1940年生まれで、74歳前後とみられる。一部では1949年生まれという情報もあり、そうだとすれば65歳前後ということになる。決して若くはない。金正恩時代の新たな側近の誕生ではあるが、世代交代というにはあまりにもベテランの党官僚である。

 

「組織指導部副部長」で登場

 黄炳瑞氏が北朝鮮のメディアに初めて登場したのは2005年5月19日に金正日総書記が人民軍第593軍部隊と第529軍部隊軍人家族芸術小組の公演を観覧した際に同行者として報道された時である。この時の職責は党組織指導部副部長であった。

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
平井久志(ひらいひさし) ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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