鉄道発祥国イギリスに逆輸入される日立製の鉄道車両

2006年5月号
カテゴリ: 国際 経済・ビジネス
エリア: ヨーロッパ

 欧州の代表的高速列車ユーロスターが、パリ・ノール駅からドーバー海峡トンネルを経てロンドン・ウォータールー駅まで走り始めて十二年が経つ。 フランスのTGV、ドイツのICEと並ぶこの高速列車も、仏国内こそ最高時速三百キロで疾走するものの、海底トンネルを出て英国に入ると在来線並のスピードに落ちる。開業当初からの課題といわれる線路改良が実行されないままだからだ。 昨年、英国が二〇一二年の五輪招致に成功したことで、海底トンネル―ロンドン間の高速新線計画が動き出した。五輪のメイン会場となるロンドン近郊のストラットフォードを経由して海峡トンネル手前のアシュフォードまで高速新線を建設する。最高速度二百二十五キロのこの新線の開業で、パリ―ロンドン間は大幅な時間短縮が実現する。さらにオリンピック期間中の観客輸送も担う。また現在のウォータールー駅に代えて、市の北側にあるセントパンクロス駅を大改造して玄関口にする。 新線には英国内の運用専用の列車も走る。この車両には北米や欧州連合(EU)の企業との競争の末、日本の日立製作所製の車両が導入されることになった。六両編成の列車を二十八編成(計百六十八両)納入の予定。英国鉄道戦略庁と鉄道車両リース会社(AHSBCレールUK)との間で、車両保守を含めた約五百億円規模の契約が結ばれた。日立製作所は長年日本の新幹線の運行システムを担ってきた実績があり、車両製造の実績もある。

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