「病み上がりの日本」を待ち受けていた「宴の終わり」

執筆者:小田博利 2006年5月号
カテゴリ: 経済・ビジネス 金融

バブル崩壊の病床から起き上がってみると、そこでは世界的な「マネーの宴」が繰り広げられていた。しかも、亀裂が走り始めた宴が――。 北極圏に位置する氷と火山の島国、アイスランドが国際金融の世界で熱い。火山から流れ出す溶岩のように、ヘッジファンドによる通貨の売りが容赦なく襲いかかる。米国の後を追って、欧州が、そして日本までも金融緩和の幕引きに入ったことで、「マネーの宴」に亀裂が走り出したのだ。 君知るや北端の国。人口三十万人、実質国内総生産(GDP)百三十三億ドルは日本円にして約一兆六千億円。国というより山陰地方の島根、鳥取県に近い小国が、ここ二―三年注目されてきたのは、ほかでもない。政策金利が二年間で二倍に引き上げられ、一〇%を超える高金利通貨になったからだ。 二〇〇五年の実質GDP成長率は五・九%。過熱気味の経済は金融引き締めを必要としてきた。だが、その結果、蜜に群がる蟻のように、高金利を求めた国際資本が大量に流入してきた。かくて世界がデフレ懸念に怯えていた〇三年以降、株価が四倍に、首都レイキャビク周辺の住宅価格は二倍に跳ね上がった。 宴を演出したのは、ファンド勢のキャリートレードだ。低金利に抑えられてきたユーロを大量に借り入れて、アイスランドクローナに投資する。ユーロとの金利差分の七―八%をたっぷり懐に納められるのだから、欧州ではアイスランドほど美味しい投資対象はない。

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