インラック首相の失職は、中国の東南アジア進出の将来に思わぬ障害になるかもしれない――。
2012年春、インラック首相(当時)は訪日の途次、官民合同の大デレゲーションを引き連れて訪中している。つまり、外遊ルートは北京経由東京着、であった。その際、北京・天津間の高速鉄道に乗車し、中国との協力による高速鉄道建設計画を打ち上げた。じつは、インラック前政権は政権発足時から、バンコクを起点に、北部路線(ピサヌロークまで)、西部路線(ホワヒンまで)、東北部路線(コーラートまで)、東部路線(パタヤまで)の4路線を2022年までに完成させることを政策の柱に掲げていた。いわば高速鉄道網による国土改造である。
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