エンロン裁判で元CEOが強気の理由

2006年6月号
カテゴリ: 国際
エリア: 北米

 米エネルギー大手エンロンの巨額不正会計事件の裁判で、ジェフリー・スキリング元最高経営責任者(CEO)が大胆にも、「検察側が唱える会計手法などの違法性はすべて間違いで、経営陣がとった手段はすべて合法だった」とする主張を繰り広げている。 これまで検察側は司法取引を駆使し、アンドリュー・ファスタウ元最高財務責任者(CFO)ら同社で財務に携わった経営幹部から罪を認める証言を次々と引き出し、ケネス・レイ創業者・元CEOとスキリング両被告への包囲網を築いてきた。 これに対し、レイ被告は「知らなかった」「メディアの偏った報道が破綻を招いた」と主張。一方、スキリング被告は裁判開始前から約二百三十万ドル(二億五千六百万円)の準備金で二十四人からなる一大弁護団を雇って、自らの経営の合法性を訴えるという作戦に出た。 なぜか。かつて米通信大手ワールドコムの元CEO、バーナード・エバース氏は不正経理について「知らなかった」を貫き通したが、禁固二十五年の実刑を受けた。三十五もの罪状に問われたスキリング被告は最長で二百七十五年の懲役刑になるために、エバース氏の手法の踏襲はリスクが大きい。そこで、前提となる起訴事実そのものを否定しようというのだ。

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