「米民主党」の足を引っ張りかねない「気候変動」の争点化

足立正彦
執筆者:足立正彦 2014年5月22日
エリア: 北米

 米民主党の中核的支持基盤である環境保護団体・活動家らは、11月4日の投票日まで5カ月余りとなった2014年中間選挙での民主党の勝利に向けて、彼ら自身が強い関心を示している問題を主要争点にしようとする動きを見せている。彼らが主要争点に位置付けようとしている問題は気候変動である。環境保護団体・活動家らはハリー・リード民主党上院院内総務(ネヴァダ州)をはじめとする民主党指導部や民主党上院選挙キャンペーン委員会(DSCC)に対し、気候変動について中間選挙キャンペーンで従来よりもさらに踏み込んだ立場を明確にするよう求めている。接戦が予想されている州で、気候変動がもたらしている様々な影響について、有権者に対して直接訴えようとしているのである。また彼らは、カナダ・アルバータ州で生産されているオイルサンドを米国・テキサス州のメキシコ湾沿岸にある原油精製施設まで輸送する「キーストーンXLパイプライン建設計画」について、この計画を支持している穏健派の民主党上院議員に政治献金を行わない方針も示唆している。

 しかし、民主党が中間選挙キャンペーンでの主要争点に気候変動を位置付けた場合、そうした選挙戦略は民主党にとり「両刃の剣」となりかねない。プラス面としては、環境保護派やリベラル寄りの有権者の足を投票所に運ばせる点で非常に大きな意味を持つことが挙げられる。大統領選挙と一緒に投票が行われる年の連邦議会選挙と比較すると、中間選挙は必然的に有権者の関心も低下し、投票率が大幅に低下する。したがって、自らの政策を支持している有力支持基盤や有権者をいかに投票所に動員できるかが中間選挙のポイントとなる。

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執筆者プロフィール
足立正彦
足立正彦 住友商事グローバルリサーチ シニアアナリスト。1965年生れ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より現職。米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当する。
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