三井住友銀への厳罰で地銀大手行も怯える

2006年6月号
カテゴリ: 経済・ビジネス 金融

「優越的な地位を利用して、融資先に対し金融商品(金利スワップ)の購入を強制した」 四月二十七日、三井住友銀行の独占禁止法違反をとがめた公正取引委員会の排除勧告を受け、金融庁は、(1)法人営業部での金利系デリバティブ商品の半年間の販売禁止、(2)企業取引の拠点となる法人営業部の一年間の新設禁止、という厳しい行政処分を下した。優越的地位の乱用で銀行が業務停止命令を受けるのは初。実は前後して公取委は、融資先企業二千社の実態調査に乗り出していた。「まさかうちに同様の案件はないだろうな」。メガバンクだけでなく地銀大手行まで怯えている。三井住友銀が購入を強制した金利スワップとは、将来の金利上昇に備え、金利を固定化するリスクヘッジ商品。このような金融派生商品は最先端の金融技術が必要なため、外資系銀行や地銀でも大手行しか取り扱っていない。そして、大手銀行のほとんどが取引先企業に購入を勧めている商品でもあるため、気が気ではないのだ。 気になるのは、三井住友銀の経営責任。強制した当時の頭取だった西川善文・日本郵政社長は五月八日、国会の参考人質疑で役員報酬の返還などについて、「具体的なものが出ればそれに従う」と従順な姿勢を示したが、一方で、当時、取締役会の一員だった奥正之頭取は「当時のトップが明確に報告を受け、認識をしていたかというと、そうではなかったと思う」と、歯切れの悪い発言をしている。

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