堕ちゆく世界の迷走 (45)

膨らむ「内部矛盾」を国外転嫁する中国に備えよ!

 最近の中ロはより緊密化している (C)AFP=時事
最近の中ロはより緊密化している (C)AFP=時事

 新疆ウイグル自治区・ウルムチの朝市で5月22日に起きたテロは、中国指導部にとって余程の衝撃だったのだろう。死者39人 、負傷者も100人近くを数えた犠牲者の規模だけ ではない。習近平国家主席が現地に足を運んだ直後の4月30日にも、駅で死者3人、負傷者79人の事件が起きたばかりだからだ。

 事件は連鎖している。3月1日には雲南省昆明駅で、刃物を持った集団が通行人を無差別に襲撃。警官5人を含め死者34人、負傷者143人の犠牲者を出した。昆明市当局は翌2日に「ウイグル族の犯行」と発表した。治安強化とテロ封じ込めがうたわれるそばから繰り返される惨劇。政府も共産党も面子丸潰れである。

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