病室で考えたこと:開発途上国はどれだけ開発について考えているか

執筆者:平野克己 2014年6月4日
エリア: アフリカ

 不覚にも急性心筋梗塞の発作を起こして倒れ、病院のベッドで2週間過ごした。退院後の試運転を経て、6月から本格復帰を図っている。
 入院中することがないので、女房に頼んで研究室から積読(つんどく)本を一山ずつ運んでもらった。まったく久しぶりのゆったりした読書に耽溺したが、なかでもエズラ・ヴォーゲル『鄧小平』の訳本上下2巻は圧巻で、2005年に出たユン・チアンの『マオ:誰も知らなかった毛沢東』を思い出させてくれた。『マオ』は、異常性格者として描かれる毛沢東が中国をつくって破壊するまでの物語であるが、『鄧小平』のほうは中国の高度経済成長期まで続くので、いくらか明るい気分で読み進めることができる。

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
平野克己(ひらのかつみ) 1956年生れ。早稲田大学政治経済学部卒、同大学院経済研究科修了。スーダンで地域研究を開始し、外務省専門調査員(在ジンバブエ大使館)、笹川平和財団プログラムオフィサーを経てアジア経済研究所に入所。在ヨハネスブルク海外調査員(ウィットウォータースランド大学客員研究員)、JETRO(日本貿易振興機構)ヨハネスブルクセンター所長、地域研究センター長などを経て、2015年から理事。『経済大陸アフリカ:資源、食糧問題から開発政策まで』 (中公新書)のほか、『アフリカ問題――開発と援助の世界史』(日本評論社)、『南アフリカの衝撃』(日本経済新聞出版社)など著書多数。2011年、同志社大学より博士号(グローバル社会研究)。
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