ブッシュ・胡錦濤「すれ違い」の理由

執筆者:藤田洋毅 2006年6月号
カテゴリ: 国際
エリア: 中国・台湾 北米

胡にとって最高指導者になって初のワシントン訪問だったが、大統領との会談に具体的成果は無し。むしろ狙いは“壮大な時間稼ぎ”だった。「“ニ講ニ的話、我講我的話”(あなたはあなたの言葉を語り、私は私の言葉を語る)が本質でしょう。“各説各話”(おのおのが、おのおのの言葉を繰り出した)と表現する同僚もいます」 中国国務院の中堅幹部は言った。「本質」とは、訪米した胡錦濤国家主席とブッシュ米大統領の四月二十日の会談の「本質」を意味する。「各説各話」は、双方が言いたいことを言った、というニュアンスだ。「各説各話」は、事前に最大の懸案とされた経済貿易問題で顕著だった。米国はかねて▽二千十六億ドル(中国側統計では千百四十二億ドル)に達した対中貿易赤字▽知的財産権の保護▽人民元の為替制度改革――を首脳会談の主要テーマに据えていた。そこで中国は、胡訪米直前に、パソコン最大手の聯想(レノボ)がすべてのパソコンに米マイクロソフトのウィンドウズを標準装備する十二億ドルの製品購入を決めたほか、呉儀・副首相が率いる二百人以上の大型代表団を米国に送りこみ、全米十三州十四市を回って百六十二億ドルに上る購買契約を結んだ。呉は四月十二日にはブッシュ大統領と会談して露払いもしていた。

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