談合列島分裂(下)迫られる愚民政治との決別

執筆者:吉野源太郎 2006年7月号
エリア: 日本

政治家、役人、全国の土建業者、そして暴力団……。談合を使い、寄ってたかって税金をむさぼるこの国の仕組みはいつまで続くのか。「公共事業大国」の今日を象徴する三つの数字がある。●中小建設業が受注した公共土木事業は総額二十兆円の約八割(二〇〇四年度、国土交通省資料より推計)。●ホームレスの直前の職業は五五%が建設労働者(〇三年、厚生労働省)。●島根県民に対して支払われた地方交付税や国庫支出金は県民が払った国税の約二・九倍(〇三年度、国税庁・内閣府・国交省)。 日本の、あまねく平等な分配政策がもたらした現実である。     *「転換点は四十年不況だった」 大手建材メーカー元幹部が若手社員だった昭和三十年代、業界では激しい価格戦争が展開されていた。「市場が急速に拡大した時期で、それでも各社の売り上げは伸びていった」。 状況が一変したのは昭和四十年。大不況下で、談合が始まった。この慣習はすぐに定着した。業界を仕切ったのがこの幹部氏だった。「最初は談合の先輩であるゼネコンのやり方を見習ったけれど、そのうち輸入品も入ってきたから大変だった。最後は米国のデュポン本社に乗り込んで“国際談合”までやりましたよ。誰も本音では悪いことをしていると思っていなかった」

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執筆者プロフィール
吉野源太郎 ジャーナリスト、日本経済研究センター客員研究員。1943年生れ。東京大学文学部卒。67年日本経済新聞社入社。日経ビジネス副編集長、日経流通新聞編集長、編集局次長などを経て95年より論説委員。2006年3月より現職。デフレ経済の到来や道路公団改革の不充分さなどを的確に予言・指摘してきた。『西武事件』(日本経済新聞社)など著書多数。
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