“火事場泥棒”が跋扈する震災後のインドネシア

2006年7月号
カテゴリ: 国際

 インドネシアのジャワ島中部で五月末に発生した地震の支援に乗り出した国際社会の善意が、また問題となっている。支援金、支援物資の配分に携わるインドネシア側の地方政府や国軍・警察などによる分配が著しく不公平で、実際に支援を必要としている被災住民に届いていないからだ。 地震の被害が集中したジョクジャカルタ特別州政府機関は、バントゥール村など被害が深刻な市町村への支援物資の分配や税の免除、復興資金の配分を円滑化するために「被害実態を速やかに報告するように」と要請を出したが、報告の期限はその翌日。この短時間では大半の市町村は被害実態を集計できず、「いい加減に数字を報告したところが得するだけ」と不満の声が高まっている。 インドネシア政府も地震の犠牲者数を下方修正するなど混乱。支援物資を国軍が横領するケースも報告されるなど、一昨年末のスマトラ沖地震・津波の際に多額の支援金が使途不明になったのと同じ問題が早くも起きている。 ユドヨノ大統領は、「誰もが傍観しているだけでは駄目だ」と国を挙げての支援を訴えているが、汚職・腐敗・親族重用という長年の悪弊が「伝統」のように残るインドネシアだけに、「地震被害を横目の“火事場泥棒”」「偏った支援による支援太り」状態が蔓延している。

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