最後の詰めが進むイラク陸上自衛隊撤収

2006年7月号
カテゴリ: 国際 外交・安全保障
エリア: 中東 日本

 イラク南部サマワで人道復興支援活動を続ける陸上自衛隊の撤収時期が、九月に任期を終える小泉純一郎首相の大きな課題となっていた。ここへきて六月二十九日に予定される日米首脳会議で、ブッシュ大統領に「撤収許可」を取り付け、七月から撤収に向けて本格的に動き出す可能性が高くなってきた。 六月初め、シンガポールでラムズフェルド米国防長官と会談した額賀福志郎防衛庁長官が、密かに「撤収意向」を示したところ、米側から「撤収条件」として、現在クウェートからイラク南部への輸送を担っている航空自衛隊のC130輸送機の任務を継続し、バグダッドや北部地域にも拡大することが提示された。防衛庁側がこれを飲んだことから、一気に撤収が現実的なものとなってきたとされる。 これを受けて、小泉・ブッシュ会談で最終的に決定し公表する方向で現在、両国の防衛・外務当局者による最後の詰めが進んでいるといわれる。 サマワ訪問を熱望していた小泉首相だが、「訪問はあきらめ、その代わりに後継首相の荷を軽くするために、九月前の陸自部隊撤収を実現し、自分の使命を果たす覚悟を決めたのではないか」(防衛庁幹部)。 こうした政府の方針を受け、防衛庁は撤収のシナリオの最終検討を開始。「部隊は展開時より撤収時の方が難しく、危険」(先崎一統合幕僚長)との認識のもと、密かな撤収オペレーションに着手した模様だ。

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