楽天「TBSからの撤退」にやはり村上ファンドの影

2006年7月号

 楽天が、保有するTBS株一九%強の大半を手放す方向で調整に入った。 楽天は昨年十一月末にTBSと和解し、経営統合を断念。提携による番組ネット配信などの実現を目指してきたが、実のある提携は期待薄なまま。このため楽天は「名誉ある撤退」(幹部)の口実となる“果実”を模索中。今のところ、六月二十九日のTBSの株主総会で利益処分案が承認され配当を獲得するのを機に、撤収する見込みが濃厚だ。 楽天がTBSから受け取る配当収入は四億円近くになり、株式取得資金の利払いを上回る見込み。これを受け、楽天はTBSと保有株の売却価格をめぐり詰めの交渉に入ると見られる。 とはいえ、何も提携しないままでは格好がつかない。「メニューを実行に移す段階だ」と、楽天の国重惇史副社長は交渉期限の六月末を控え、提携は合意寸前と示唆するが、三木谷浩史社長は拙速を戒めている。提携発表後にTBSが総会で楽天を排除できる買収防衛策を導入すれば、提携は本当に形だけのものになりかねないからだ。 折も折、三木谷社長と親密な村上ファンドの村上世彰代表が証券取引法違反容疑で逮捕された。村上容疑者が捜査当局と「ニッポン放送株の容疑は認める代わりに、TBS株の立件は見送る裏取引に応じた」(司法筋)との情報もあり、TBSは「プライドにこだわっている場合か」(幹部)と楽天に早期手仕舞いを促している。

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