保守派が「ナンバー3」になった米下院共和党の不安定さ

執筆者:足立正彦 2014年6月24日
タグ: アメリカ
エリア: 北米

 6月10日に行われたヴァージニア州第7区選出の連邦下院議員の共和党予備選でエリック・カンター共和党下院院内総務は知名度や政治資金もない大学教授であるティーパーティー(茶会党)系候補のデイヴィッド・ブラット氏に対しまさかの敗北を喫した (6月16日付コラム参照:http://www.fsight.jp/27406)。カンター氏は予備選敗北を受け、下院議長に次ぐ下院共和党指導部ナンバー2のポストを7月31日末で辞任する意向を表明した。

 

 カンター氏の辞任意向を受けて6月19日、共和党下院議員による後任の下院院内総務選挙が非公開で行われた。その結果、8月1日付で共和党下院院内総務に就任することになったのは、第112議会(2011年1月-2013年1月)から下院共和党指導部ナンバー3の下院院内幹事の立場にあるケヴィン・マッカーシー下院議員(カリフォルニア州第23区選出)である。49才のマッカーシー氏はカリフォルニア州議会下院議員2期4年を経て2006年中間選挙で連邦下院議員に初当選し、現在わずか4期目である。2大政党の歴代の下院院内総務と比較して、異例のスピードで共和党下院院内総務へと駆け上がったことになる。

フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
足立正彦(あだちまさひこ) 住友商事グローバルリサーチ株式会社シニアアナリスト。1965年生まれ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より、住友商事グローバルリサーチにて、シニアアナリストとして米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当し、17年10月から米州住友商事ワシントン事務所に勤務、20年4月に帰国して現職。
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top