教育改革で独歩する品川区の「小中一貫制」

執筆者:水木楊 2006年7月号
カテゴリ: 社会
エリア: 日本

 あまりに多い中学生の不登校に教育界が頭を抱えている。文部科学省の「学校基本調査」によれば、不登校生徒の数は一九九一年の五万四千人に比べ、全生徒数の減少にもかかわらず、二〇〇五年は十万人とおよそ二倍に達している。いまや三十六人に一人が不登校だ。 不登校の原因も様々だが、小学校の教師との関係と中学校のそれとが大きく違い、適応できなくなるのが理由の一つ。例えば小学校では学級担任制となっており、教師が一人ひとり面倒を見ていたのが、中学校では教科担任制となり、学業の点数が悪いと、びしびしと叱られるケースがある。叱られることに慣れていない生徒は、ショックを覚えて学校に来なくなるというわけだ。 また、小学校では「十歳の壁」という言葉があり、四年生から五年生にかけて、子供の体や心が劇的に変わる。六・三制の義務教育が生まれた第二次大戦後に比べ、子供の成長テンポは速くなっており、エネルギーを持て余す。中学校の教師は「小学校で甘やかして育てたからだ」と不満を鳴らし、小学校の教師は「せっかく手塩にかけて育てた子供たちを放り投げている」と中学校の教師を非難する。相互不信は大きい。義務教育を“構造改革” こうした問題を解決すべく、品川区が今年四月から区内の全校を「小中一貫」の九年制にすることにした。全国でも初めての試みである。品川区には中学校が十八、小学校が四十ある。地域ごとに中学校と小学校をグループ分けして、全体で九年制の小中一貫校にまとめた。

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