「正反対候補」で大激戦「インドネシア大統領選」の行方

川村晃一
執筆者:川村晃一 2014年7月2日
 庶民派と…… (C)時事
庶民派と…… (C)時事
 エリート軍人 (C)AFP=時事
エリート軍人 (C)AFP=時事

 7月9日に投票日を迎えるインドネシアの大統領選挙は、史上稀に見る大激戦になっている。立候補しているのは、現地で「ジョコウィ」と呼ばれるジョコ・ウィドドとプラボウォ・スビアントの2人である。6月25日に発表された最新の世論調査によると、2人の支持率の差は、わずか4ポイント となっている。現段階で両者の差はほとんどないと言っていい。

 

「庶民派」のジョコウィ

 ジョコウィとプラボウォの2人は、自身の出自や性格といった点できわめて対照的である。

 ジョコウィは、1961年にジャワ島中部の古都スラカルタに生まれた。父は家具職人をしていたが、家は貧しく、少年時代から家業を手伝っていたという。その後大学に進み、卒業後は家具商として成功を収める。2005年に、闘争民主党(PDIP)の公認をうけてスラカルタの市長選に立候補して当選すると、市政を刷新して注目を集めるようになる。汚職 を追放し、効率的な行政サービスの提供を進めるなどの行政改革に取り組んだり、貧困家庭に対する医療・教育の無償化も実現させた。さらには、 再開発事業を実施する際に対話を通じて住民の同意を得たりするなど、ジョコウィは住民の目線に立った政策を次々と実行していった。2010年には得票率90.1%で再選されるなど、地元住民から圧倒的な支持を獲得した。

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執筆者プロフィール
川村晃一
川村晃一 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所 地域研究センター副主任研究員。1970年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒、ジョージ・ワシントン大学大学院国際関係学研究科修了。1996年アジア経済研究所入所。2002年から04年までインドネシア国立ガジャマダ大学アジア太平洋研究センター客員研究員。主な著作に、『2009年インドネシアの選挙-ユドヨノ再選の背景と第2期政権の展望』(アジア経済研究所、共編著)、『インドネシア総選挙と新政権-メガワティからユドヨノへ』(明石書店、共編著)、『東南アジアの比較政治学』(アジア経済研究所、共著)、『新興民主主義大国インドネシア-ユドヨノ政権の10年とジョコウィ大統領の誕生』(アジア経済研究所、編著)などがある。
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