グーグルに対抗する仏政府主導の検索エンジン「クエロ」計画とは

2006年7月号
エリア: ヨーロッパ

 米グーグルやヤフーに対抗できる万能情報検索エンジンを自らの手で――。フランス政府の主導で、大胆な「クエロ」(ラテン語で「私が探す」の意)計画が始動。政府は計画を、国内の技術革新とハイテク産業育成の代表的プロジェクトと位置付け、ドイツとの先端分野での連携のモデルにもしたい考えだ。 大学や国立機関に埋もれがちな研究成果を素早く先端産業に結びつける目的でシラク大統領は昨年、産業革新庁の設置を決定。クエロ計画は同庁が今年四月に発表したプロジェクト六件のうち力を入れる一つに選ばれた。五年間に官民合計で二億五千万ユーロ(約三百六十億円)の投資を見込む。 同庁のアバス理事長は「クエロはグーグルを真似るのが目的ではない」と強調するが、実際には仏勢のグーグルへの対抗心は相当なものだ。例えば、欧州各国の図書館をネットで結び、二〇一〇年には約六百万点の資料にアクセスできるようにするデジタル図書館計画。仏政府主導のこの計画も、グーグルが英オックスフォード大学や米ハーバード大学などとのオンライン検索システム構想を明らかにしたのを機に一気に具体化した。 クエロ計画は仏情報大手トムソンがリーダー役となり、文字検索だけではなく、音声や映像による検索など多彩な機能を目指している。ハリウッドとの関係を通して同社が蓄積した音声・映像処理技術が生きるからだ。ベンチャー企業エグザリードも重要な役割を果たす。二〇〇〇年創業の若い会社だが、既にインデックス(見出し)を付したウェブ上の検索可能ページ数は四十億を超えた。エグザリードは検索エンジン「ワン・サーチ」が代表製品で、綴りの誤りも即座に見つけ出し、高度な分類手法を使いながら本当に必要な情報に行き着けるよう工夫。単にキーワードを含む膨大な情報を表示する他の検索ソフトとは一線を画すという。

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