世界同時株安で見えてきた「バブル転がし」の終焉

執筆者:小田博利 2006年7月号
カテゴリ: 経済・ビジネス 金融

主要国の金融緩和が生み出した巨大な余剰マネーを、リスクを回避しつつ吸収できるのか。下手をすればブラックマンデーの再来も――。 二十年ぶりという世界同時好況を横目に、世界の株式市場が同時安に見舞われている。米経済を取り巻く対外不均衡の拡大、インフレ懸念と景気減速のジレンマ、新興成長諸国に流れ込んでいたマネーの先進国への逆流。米国が演出してきた経済と市場の宴は、緩慢なる幕引きを迎えつつある。 村上ファンドの村上世彰前代表が逮捕される前の長広舌をも消し去る、世界同時株安が六月のマーケットを吹き荒れている。インド、ブラジル、メキシコ、ロシア……。荒っぽい値動きのなか、新興諸国の株価はつるべ落としとなっている。日経平均株価も八日には一万五千円を割り、昨年秋からの上昇分は帳消しになった。 ちょっと前まで「貯蓄から投資へ」を謳い文句に株式投資を取り上げていたメディアも、株安の背景と影響の解説に忙しい。今起きていることは何か。そしてどうすればいいのか。五月に開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録は、「分からない」を連発している。 過去の株価下落を鑑にしようとしても、ぴったり来る事例が見当たらない。国際通貨基金(IMF)によれば、世界経済の実質成長率は二〇〇四年から〇六年にかけて三年連続で約五%の高成長を続ける見込み。一九七〇年代前半以来の高成長だ。先進国以上に、新興諸国の成長が著しい。ブラジル、ロシア、インド、中国のBRICsばかりでなく、アジア、中東、アフリカ、中南米に至る全世界でブームが起きている。

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