フランスのサルコジ前大統領が、疑惑捜査の過程で司法当局に短期間ながら拘束され、大きな騒ぎを引き起こしている。フランス第5共和制で、大統領経験者の拘束は前代未聞の出来事だ。捜査はまだ始まったばかりで、今回の騒ぎがそのまま起訴につながるわけではないものの、今後次第ではサルコジ氏の政治生命にかかわる可能性もある。フランス政界に与えた影響は小さくない。
大統領退任後にいったんは政界を引退したサルコジ氏にとって、取りざたされる復帰への環境が厳しくなったのは間違いない。ただ、本人に懲りた様子はうかがえず、かえって司法批判を展開し、支持者固めに回っている。司法からの攻撃をかわしながら何度も政権に復帰したイタリアのベルルスコーニ元首相の手法の踏襲だ。両氏の手法の類似性は以前から指摘されており、これを「サルコベルルスコーニズム」と名付けた研究者もいるほどだ。
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