「集団的自衛権」行使容認の始末――抜刀戒めの「紙縒り」

2014年7月10日
カテゴリ: 外交・安全保障

 日本は、先の戦争後70年間、臆病なまでに軍事力の行使に自制を働かせて「戦争と無縁の日本」を守って来た。その日本の安全保障政策は国際社会が知るところでもあった。しかし集団的自衛権行使の容認は、条件如何に関わらず、「戦争と距離を置く日本独自の孤立主義」を放棄して「他国と共に武器を持って戦う」ことを意味する。これで日本は、他国の戦争や紛争、あるいは武力衝突事態に直接関与する即ち、参戦していくことが現実になった。同時に日本は、友好国に対して作戦支援の期待を抱かせ、非友好国には日本の武力行使に対する警戒と危惧を抱かせることになったのである。

 日米安保体制は日本有事における共同作戦を謳う軍事同盟である。しかし1978年の「日米防衛協力のための指針」では、共同作戦の実効は抑制され研究にとどめられた。1997年には、朝鮮半島有事を想定し「何が出来るか」という姿勢に変化した。そして2014年現在の見直しでは、明確な日米の役割分担を示すとされている。他方、国民の目に日米共同作戦の実効性は不透明である。『防衛白書』に自衛隊の戦い方の絵図が掲載されているが、そこに米軍が日本と共同戦闘している姿は無い。しかし、この度の集団的自衛権行使の容認によって、国民の目に自衛隊と米軍が共同戦闘するイメージが示され明らかになってくるであろう。

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