「ガンジーやネールは、かつてこう言いました。世界中の風がインドを吹き抜けてゆけば良い。インドは決して吹き飛ばされることはないのだから、と」 一九九四年、当時のインドの蔵相は「フォーサイト」のインタビューに応えて、そう語っていた。その蔵相とは、九一年以来の経済自由化の指揮をとってきたエコノミスト、マンモハン・シン氏。インタビューから十二年の間にいったん野に下ったが、今や首相として政権を担う。 一方、インド経済は政権交代の影響を受けることもなく、「安定した高度成長」を続けてきた。ここ数年のGDP(国内総生産)成長率は八%に達し、規制緩和とともに海外からの投資も順調に伸びている。IT(情報技術)の分野では先進国のひとつに数えられるほどになった。
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