グローバル化が求められる「金融庁新長官」の課題

磯山友幸
執筆者:磯山友幸 2014年7月14日
エリア: 日本
 新長官の手腕に期待が集まる (C)時事
新長官の手腕に期待が集まる (C)時事

 金融庁の畑中龍太郎長官が退任し、後任に細溝清史監督局長が昇格した。1976年入省の畑中氏から78年入省の細溝氏へのバトンタッチは一見、既定の順送り人事に見えるが、実際には昨年来の曲折があった。

 畑中氏は1年前、異例の長官3年目に突入したが、その背景には畑中氏と細溝氏との確執があるとされてきた。畑中氏は親しい安倍晋三政権の重鎮や自民党幹部と会うと、露骨に細溝批判を展開。細溝氏の長官不適格を訴えていた。結果、昨年の段階では細溝氏の昇格は見送られ、異例の畑中氏続投となったのである。

 畑中氏が自ら続投を画策した理由については、いくつかの解説が流れた。

 1つは、80年入省の森信親氏を長官に据えるため、というもの。畑中氏は政治家に会うと、細溝批判の一方で、必ず森氏を激賞していた。もし昨年の段階で細溝長官就任を認めると、任期2年として森氏の前にもうひとり長官が生まれ、森長官が実現しなくなる可能性があった、というのだ。

 もう1つは、畑中氏の長官在任のうち2年間は民主党政権下で、しかも連立を組んだ国民新党の大臣が続いたため、自分自身の思うような政策が実行できなかったので、何としてももう1年やりたかった、というもの。いずれも本人の言として永田町に流れていた。

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執筆者プロフィール
磯山友幸
磯山友幸 1962年生れ。早稲田大学政治経済学部卒。87年日本経済新聞社に入社し、大阪証券部、東京証券部、「日経ビジネス」などで記者。その後、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、東京証券部次長、「日経ビジネス」副編集長、編集委員などを務める。現在はフリーの経済ジャーナリスト。著書に『国際会計基準戦争 完結編』、『ブランド王国スイスの秘密』(以上、日経BP社)、共著に『株主の反乱』(日本経済新聞社)、編著書に『ビジネス弁護士大全』(日経BP社)などがある。
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