それでも「北との対話」を崇拝する盧武鉉政権の“国際非協調”

執筆者:黒田勝弘 2006年8月号
カテゴリ: 国際
エリア: 朝鮮半島

[ソウル発]韓国政府は北朝鮮のミサイル発射事態に関し当日の七月五日、盧武鉉大統領主宰で緊急の安保関係閣僚会議を開き、対応策を検討した。青瓦台(大統領官邸)当局はその結果を発表したが、当初の発表とその後、青瓦台ホームページに掲載された内容に微妙な違いがあり、ソウルの外交街で注目された。 当初の発表では「今回のミサイル発射で南北関係は影響を受けざるをえないと判断しているが、具体的な措置は状況を見ながら各種協議を通じ決定していく。また現在、これと関連し国連安保理の論議が進行中であることは承知している。これと関連した論議もまた友邦国家との協議を通じ引き続き協調(協力)していくことになるだろう」となっていた。 ところが後の発表文では「今回のミサイル発射は南北関係においても否定的な影響を与えざるをえない。政府は関連諸国と状況を綿密に分析し、協議を経て段階的に必要な措置をとっていくだろう」となっていた。 韓国政府は「北韓を圧迫し緊張を醸成することは問題の解決にならない」として対話と「慎重かつ柔軟な行動」を強調したのだが、気になるのは当初の発表にあった「友邦国家との協調」が後では消えていることだ。「圧力より対話」の韓国政府は、七月十一―十四日の釜山での南北閣僚級会談も予定通り開催を決定。この“南北対話”については、抗議の意味で延期論を主張する外交通商相、国防相らと、対話重視で予定通り開催を主張する統一相らが、安保関係閣僚会議の場で激論を交わしたが、大統領の意向で開催に決まったという。

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執筆者プロフィール
黒田勝弘 産経新聞ソウル駐在客員論説委員。1941年生れ。共同通信ソウル支局長、産経新聞ソウル支局長兼論説委員を経て現職。2005年度には日本記者クラブ賞、菊池寛賞を受賞。在韓30年。日本を代表するコリア・ウォッチャーで、韓国マスコミにも登場し意見を述べている。『“日本離れ”できない韓国』(文春新書)、『ソウル発 これが韓国主義』(阪急コミュニケーションズ)など著書多数。
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