秋の「プーチン大統領訪日」は実現微妙

執筆者:名越健郎 2014年7月18日
エリア: ヨーロッパ

 1990年代後半、米国のクリントン政権がコソボ問題に没頭していた頃、共和党系学者が「下手なサッカーチーム」と揶揄したことがあった。大統領以下、すべてのプレーヤーがコソボという1つのボールに群がり、外交ゲームの組み立てや戦略、守りが疎かにされたためだ。永田町や霞が関、それにメディアが、動き始めた拉致問題に群がる現在の状況も「下手なサッカーチーム」かもしれない。たとえば、もう1つの懸案である日露外交はウクライナ問題の煽りもあって疎かにされ、11月のプーチン大統領訪日は現状では延期の可能性が出てきた。

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
名越健郎(なごしけんろう) 1953年岡山県生まれ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長、編集局次長、仙台支社長を歴任。2011年、同社退社。拓殖大学海外事情研究所教授。国際教養大学特任教授を経て、2022年から拓殖大学特任教授。著書に、『秘密資金の戦後政党史』(新潮選書)、『ジョークで読む世界ウラ事情』(日経プレミアシリーズ)、『独裁者プーチン』(文春新書)など。
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