“百年戦争”化するEU対マイクロソフトの攻防

執筆者:天城晴彦 2006年8月号
エリア: ヨーロッパ 北米

さしものマイクロソフトも、欧州委員会には手を焼いている。独占を嫌うEUが、ライバル企業の“駆け込み寺”と化して――。[ブリュッセル発]七月三日、欧州連合(EU)本部のあるブリュッセルに加盟二十五カ国の規制当局者が集まった。開催そのものも非公表とされた会合で加盟国と欧州委員会が協議したのは、EU独占禁止法(競争法)違反の問題。相手はパソコン市場の巨人、米マイクロソフトだ。「加盟国は全会一致で欧州委員会の提案を承認した。ネリー・クルス競争政策担当・欧州委員は七月半ばにも独禁法違反の判定を下すつもりだ」 欧州委員会のある幹部は明かす。 欧州委員会が検討しているのは一日当たり最大二百万ユーロ(約二億九千万円)の新たな制裁金の支払い命令。この金額はマイクロソフトの全世界での一日の売上総額の約五%に相当する。新たな制裁金は欧州委員会が警告書を出した昨年十二月にまで期間を遡って適用されるため、マイクロソフトは判定が決まった時点で直ちに四億ユーロ(約五百八十億円)を超す制裁金の支払いを命じられる恐れがある。基本ソフト「ウィンドウズ」をめぐる独禁法違反の是正命令を完全に順守していない――。これが欧州委員会がマイクロソフトに新たな制裁金を科す理由だ。

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