インドネシア大統領選挙(下)新大統領が早くも直面する「2つの難題」

執筆者:川村晃一 2014年8月4日
エリア: アジア
 新大統領(左)でも、与党党首であるメガワティ氏(中央)には気を使わねばならない (C)AFP=時事
新大統領(左)でも、与党党首であるメガワティ氏(中央)には気を使わねばならない (C)AFP=時事

 7月22日にジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)の当選が公式に発表されると、翌日のジャカルタ株式市場や外国為替市場はこれに好意的に反応した。諸外国の首脳も、庶民派大統領の誕生を歓迎した。各国メディアも、「改革派」の大統領誕生を賞賛する記事を掲載した。ジョコウィと大統領の座を激しく争ったプラボウォ・スビアントは、国軍将校時代に人権侵害事件に関与した疑いがあり、扇動的な言動が目立ち、行動の予測が付かないと多くの外国人から評価されていただけに、穏健で対話を重視するジョコウィの当選に諸外国はホッと胸をなで下ろした。

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
川村晃一(かわむらこういち) 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所 海外調査員(インドネシア・ジャカルタ)。1970年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒、ジョージ・ワシントン大学大学院国際関係学研究科修了。1996年アジア経済研究所入所。2002年から04年までインドネシア国立ガジャマダ大学アジア太平洋研究センター客員研究員。2024年からインドネシア国家研究イノベーション庁(BRIN)客員研究員。主な著作に、『教養の東南アジア現代史』(ミネルヴァ書房、共編著)、『2019年インドネシアの選挙-深まる社会の分断とジョコウィの再選』(アジア経済研究所、編著)、『新興民主主義大国インドネシア-ユドヨノ政権の10年とジョコウィ大統領の誕生』(アジア経済研究所、編著)などがある。
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top