途上国での温室効果ガス削減に協力し、その「排出権」を先進国企業が取得するビジネスが本格化している。このクリーン開発メカニズム(CDM)を活用するには国連への登録が必要となる。現状の登録案件の六割はブラジルなど中南米で、排出権ビジネスでは先進国。だが、排出権供給量では中国が四割を占める。厳しい削減目標を負う日本と欧州は、今や世界最大の排出権市場となった中国で、激しい争奪戦を繰り広げている。 温室効果ガスにはフロンガスや二酸化炭素(CO2)などがある。中国ではまずフロンガス処理が排出権の中心となった。すでに成立したわずか三つの案件の排出権は、日本政府の今後五年間の調達計画(CO2換算で約一億トン)に匹敵する。
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