順風満帆だったはずのエアバスを襲った生産遅延のエアポケット

2006年8月号
カテゴリ: 国際 経済・ビジネス
エリア: ヨーロッパ

 欧州航空機大手エアバスは期待の超大型旅客機「A380」の量産が大幅に遅れ、二〇〇七年の生産機数は当初予定の約二十五機に対し九機に減ると発表。親会社の欧州航空防衛最大手EADSの株価急落を招き、同社のノエル・フォルジャール共同最高経営責任者(CEO)と、エアバスのギュスタフ・フンベルト社長兼CEOがそろって辞任する事態に発展した。 米ボーイングを抜き航空機受注・引き渡し機数で世界トップに立ったエアバス。昨年五月、フォルジャール氏の後継として就任したフンベルト社長は「今年も記録的な引き渡しを見込む」と意欲満々だったが、足もとの異変に気付くのが遅れた。 新型航空機の開発では、顧客である航空会社の要望を受け、内部の構造や電気系統などの細かい点を詰めていく。A380は総二階建てという、これまでにないタイプの旅客機なだけに試行錯誤も多い。 A380はドイツのハンブルクをはじめフランス、スペインなどにある複数の「センター・オブ・エクセレンス」と呼ばれる開発・生産拠点で胴体や主翼、尾翼などを分担製造。出来上がった構造物をすべて南仏トゥールーズの本社に隣接した専用工場に運び、最終組み立てをする。しかも、世界の約百二十社から部品などを調達しており、全体の統制をとって予定通りに仕上げるのは並大抵ではない。

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