「揚陸艦」を対ロ輸出:「フランス的例外」という精神構造

国末憲人
執筆者:国末憲人 2014年8月18日
 フランス中西部サンナゼールを出港するロシアに納入予定のミストラル級強襲揚陸艦 (C)AFP=時事
フランス中西部サンナゼールを出港するロシアに納入予定のミストラル級強襲揚陸艦 (C)AFP=時事

 フランス人の独自の振る舞いは、しばしば「フランス的例外」(l’exception française)という言葉で表現される。誰が何を言おうが、どこ吹く風。空気を読もうとせず、我が道を行く。よく言えば独立心が旺盛、悪く言えばわがまま、身勝手だ。

 フランスがロシアに対し、最新鋭のミストラル級強襲揚陸艦2隻を売却しようとして引き起こした騒ぎは、欧州連合(EU)各国や米国の目に、典型的な「フランス的例外」と映る。何より、ウクライナ東部の親ロ派武装勢力への支援をやめないロシアに対し、欧米各国に日本も加わって制裁を強めているさなかである。ロシア以外どの国にも支持されない行為だが、すでに売却代金を受け取ってしまったフランスは、10月に予定されている1隻目の引き渡しを強行する構えだ。

 そして、 遠い欧州の内紛だと眺めていたら、どうやら日本も無縁でないようなのである。

 

フランスVS欧米諸国

 7月21日、フランスのオランド大統領は番記者との夕食懇談で、強襲揚陸艦の売却についてこう説明した。

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執筆者プロフィール
国末憲人
国末憲人 1963年生れ。85年大阪大学卒。87年パリ第2大学新聞研究所を中退し朝日新聞社に入社。富山、徳島、大阪、広島勤務を経て2001-04年パリ支局員。外報部次長の後、07-10年パリ支局長を務め、GLOBE副編集長の後、現在は論説委員。著書に『自爆テロリストの正体』(新潮新書)、『サルコジ―マーケティングで政治を変えた大統領―』(新潮選書)、『ポピュリズムに蝕まれるフランス』『イラク戦争の深淵』(いずれも草思社)、共著書に『テロリストの軌跡―モハメド・アタを追う―』(草思社)などがある。
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