誰も止められない地政学リスクの恐るべき連鎖

執筆者:小田博利 2006年9月号
カテゴリ: 国際 経済・ビジネス

アメリカの影響力は低下し、これからさらに下がっていく。そして、北のミサイルからテロまで、日本もリスクに包囲されている。 北朝鮮のミサイル発射、イラン核開発、イスラエルとヒズボラの戦争、そして英国で発覚した大規模な航空機テロ未遂。地政学リスクが連鎖している。腹に一物ある連中が歴史を弄んでいるうちに、生の現実が牙を剥こうとしている。 七月五日のミサイル発射後、八月十三日まで金正日は一カ月以上も潜った。「日朝戦わば」というシミュレーションが週刊誌に溢れる中、実は北ではそれどころではない事態が発生していた。北の朝鮮中央通信社の七月二十一日付報道によると、北朝鮮各地は十四日から十六日にかけて豪雨に見舞われ、数百人が死亡または行方不明となった。家屋や公共施設が損壊され、道路や鉄道、橋梁などの交通が寸断されており、人的・経済的に重大な損害が出ている。 天罰? いや不謹慎な言い方はすべきでない。先軍政治の名の下、乏しい資源をミサイルや核などの軍事開発に集中した結果、北の国土は強制的に「脱ダム」化され、災害がきたら大損害の出る国になっている。台風被害は天災ではない。凶作による餓死者の発生と並んで、専制君主の暴政による人災なのだ。

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