クリミアへの旅(4)「ロシア色」に染められた街

国末憲人
執筆者:国末憲人 2014年8月19日
エリア: ヨーロッパ ロシア

 クリミア半島がロシアに併合されて以降、クリミアとウクライナ本土との行き来は極めて困難になった。クリミアの中心都市シンフェロポリとキエフやドネツクなどを結んでいた航空便はすべて廃止され、陸路の境界には検問所が設けられた。ロシア当局は特に、ジャーナリストの出入りに厳しく対応しており、境界を通過する際の様々なトラブルが伝えられている。ウクライナ側のメディアをロシアが警戒しているからだと思われる。

 結局、クリミア半島に向かうには、ロシアのビザを取ってモスクワかサンクトペテルブルクから入るしかない。ロシア側からやって来るジャーナリストに関して、ロシア当局は寛大だ。ロシアの立場で報道してくれると考えるからだろう。

 キエフでの取材の後、欧州の他の都市での仕事を済ませた私は、フランクフルト経由でモスクワに入った。ドモジェドヴォ空港のシベリア航空のカウンターに行く。アエロフロートでないのは、この日5月31日がちょうどロシアの学校の長い夏休みの初日にあたっており、バカンス客であふれたクリミア半島行きアエロフロート便が満席だったからだ。

 モスクワからシンフェロポリへの飛行機は、しばらく前から国内線扱いになっている。出国審査もなく、機内に導かれる。ウクライナ上空を飛べないから、ロシア領内上空を大きく迂回して飛んでいく。

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執筆者プロフィール
国末憲人 1963年岡山県生まれ。85年大阪大学卒業。87年パリ第2大学新聞研究所を中退し朝日新聞社に入社。パリ支局長、論説委員を経て、現在はGLOBE編集長、青山学院大学仏文科非常勤講師。著書に『自爆テロリストの正体』『サルコジ』『ミシュラン 三つ星と世界戦略』(いずれも新潮社)、『ポピュリズムに蝕まれるフランス』『イラク戦争の深淵』『巨大「実験国家」EUは生き残れるのか?』(いずれも草思社)、『ユネスコ「無形文化遺産」』(平凡社)、『ポピュリズム化する世界』(プレジデント社)など。
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