饗宴外交の舞台裏
饗宴外交の舞台裏(104)

ファーストレディー・サミットと消えたグルジアワイン

西川恵
執筆者:西川恵 2006年9月号
カテゴリ: 国際

 あまり報じられなかったが、サンクトペテルブルクの主要国首脳会議(サミット、七月十五―十七日)と並行してもたれたファーストレディーたちのサミットは、その社交上手もあって興味深かった。 今回、夫人を同伴した首脳は、主催国のロシアをはじめ、米、英、仏、伊、加、それに欧州連合(EU)委員長(ポルトガル)の七人。独身の小泉首相と女性のメルケル独首相を除くと、妻帯者全員が夫人連れで訪露した。サミットでこれだけの首脳夫人が集ったのは珍しく、恐らくサンクトペテルブルクの魅力と無縁ではないだろう。 ロシア政府はファーストレディーたちのもてなしに知恵を絞った。美術館や工芸品工房の見学、コンサート鑑賞などお決まりのコースのほか、学生や専門家を交えて教育問題についての討論会を開いた。 ローラ・ブッシュ米大統領夫人(五九)は元小学校教師、フラビア・プロディ伊首相夫人(五九)はボローニャ大学の現役教授(社会学)というのも企画を後押しした。ファーストレディーたちは子供をどう育てたかや、理想的な教師像などについて活発に発言し、会場を沸かせた。 ハイライトは十六日昼、サンクトペテルブルク郊外のコンスタンチノフ宮殿で、リュドミラ・プーチン夫人(四八)が主催した昼食会。ファーストレディー七人のほか、ロシア人の詩人、映画監督、オペラ歌手、フィギュアスケートのコーチら、女性と同人数の文化・芸術関係の男性七人が招かれた。この日のメニューは次のようなものだった。

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執筆者プロフィール
西川恵
西川恵 毎日新聞客員編集委員。1947年長崎県生れ。テヘラン、パリ、ローマの各支局長、外信部長、論説委員を経て、今年3月まで専門編集委員。著書に『エリゼ宮の食卓』(新潮社、サントリー学芸賞)、本誌連載から生れた『ワインと外交』(新潮新書)、『国際政治のゼロ年代』(毎日新聞社)、訳書に『超大国アメリカの文化力』(岩波書店、共訳)などがある。2009年、フランス国家功労勲章シュヴァリエ受章。本誌連載に加筆した最新刊『饗宴外交 ワインと料理で世界はまわる』(世界文化社)が発売中。
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