森派と創価学会が先着した日印関係の歪み

2006年9月号
カテゴリ: 国際 政治

 二〇〇三年度、日本の円借款の国別供与額ランキングで、トップが中国からインドに入れ代わった。以来、インドは一貫して日本にとって最大の支援先であり、またインドから見ても日本は最大の援助国となっている。〇五年度の供与限度額では対印ODA(政府開発援助)に千五百五十四億円が計上されている。 たとえば、デリー首都圏で建設が進む地下鉄も、資金の五割以上が日本の援助によるプロジェクトだが、利用者の目に最もよく触れる車両の製造は主に韓国企業が担う。これでは日本が支援したプロジェクトであることが目に見えにくい。 こうした事態が起きるのは、インドの政府調達が比較的オープンで、競争入札が主流だから。「高機能だが高価格」な日本の製品やシステムは、入札となると強くない。 ゆえに、と言うと語弊があるが、日本の政・財・官界では“インド利権”の存在感は薄い。「あの国なら、あの商社が牛耳っている」といった話も聞かない。インドでは選挙に基づく政権交代があり、開発独裁の体制が成り立たなかったため、大がかりな癒着は起きにくかった。 そんな中、政治の世界でインドとのパイプを太くしているのは、自民党の森派だ。派閥の領袖である森前首相は二〇〇〇年、日本の現役首相として十年ぶりにインドを公式訪問。以来、現在までに計三回も訪印しており、日印友好議員連盟の会長も務める。

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