英保守党党首キャメロンに政権奪還のチャンスはあるか

執筆者:稲田信司 2006年9月号
カテゴリ: 国際 金融
エリア: ヨーロッパ

[ロンドン発]英国の政界を彩る新たな「顔」が生まれた。十月に四十歳を迎えるデービッド・キャメロン氏。ブレア首相率いる労働党に三期連続で政権を許してきた保守党の党首だ。国民の人気はブレア首相をしのぎ、低迷を続けた保守党の支持率を大きく押し上げた。将来、首相の座も夢ではない。 キャメロン氏は金融業者の家庭に生まれ、王族の流れをくむ。私立の名門イートン校、オックスフォード大学を卒業後、保守党本部入り。二〇〇一年に下院議員に初当選し、ハワード前党首率いる「影の内閣」で教育・技能相に抜擢された。昨年十二月の党首選の決選投票で右派の実力者を圧倒的大差で破り、党内主要ポストの若返りを一気に進めた。 その中軸となっているのが、「ノッティングヒル族」と呼ばれる野心的な若手グループ。キャメロン氏と家族が暮らすロンドン西部の閑静な住宅地ノッティングヒル周辺の隣人たちだ。影の財務相を務める右腕のジョージ・オズボーン氏(三五)をはじめ、エド・ヴェイジー下院議員(三七)、党の広報戦略を仕切る親友のスティーブ・ヒルトン氏(三六)らが名を連ねる。 キャメロン陣営が掲げる政治目標は「モダンで思いやりのある保守主義」。党内右派がこだわる「減税ありき」の姿勢を見直し、社会の格差に目配りする政策を強調する。狙うは、ブレア首相が掲げた「ニューレーバー(新たな労働党)」路線に引きつけられた中間層の奪還だ。

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