骨太の方針に盛り込まれたものの、社会保障費の「削りやすいところから削る」という姿勢があからさま。これでは不正や不公平は正せない。 二十年近く前に、九州の旧産炭地を訪れたことがある。ちょうど生活保護費の支給日だった。支給を告げる花火が朝から打ち上げられ、役場前の通りには屋台が列をなし、縁日さながらの賑わいをみせていた。受給者と借金取りの小競り合いを横目に、高級車で乗りつけ悠々と給付を受けに来る人も少なくなかった。 かつての、しかも極端な例だと思いたい。だが、不正受給はいまも絶えず、政府・与党内にも「国民の不公平感が他の社会保障制度にも影響を与える」との懸念は根強い。
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