わが世の春のナザルバエフ大統領 足もとを揺さぶる身内の権力闘争

2006年10月号
カテゴリ: 国際

 中央アジアの資源大国カザフスタンを支配するヌルスルタン・ナザルバエフ大統領の親族の間で権力闘争が激化、磐石とみられる政権の行方に影を投げかけている。 大統領の長女ダリガ・ナザルバエバは、国営テレビなどを牛耳り、与党のアサル党を率いる女傑で、次期大統領の有力候補。夫のラクハト・アリエフは第一外務次官だ。一方、次女ディナラ・クリバエバの夫で国営石油・天然ガス企業KMG社長のティムル・クリバエフの影響力も拡大、メディアを握るダリガと、資源を握るクリバエフの対立が表面化した。 ダリガは、今年二月に野党指導者が殺された事件は、クリバエフに近いヌルタイ・アビカエフ上院議長らが関与したと傘下のテレビで批判キャンペーンを展開、対決姿勢を露にした。 身内の亀裂が公然化したことに危機感を深めた大統領は、七月になって自ら率いる政党オタンにダリガの党を吸収した。政界でのダリガの突出を抑えることで、内紛の鎮静化に乗り出したとみられている。 ナザルバエフ一族は、三女アリヤ・ナザルバエバも経済成長で潤う建設業界の利権を握る。大統領は昨年末の選挙で二〇一三年までの任期を確保したが、親族支配による腐敗や利権争いに足を掬われる可能性もある。

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