「ブラジル」「ウルグアイ」で異変か:変わる中南米の政治勢力図

遅野井茂雄
執筆者:遅野井茂雄 2014年9月19日
カテゴリ: 国際 政治
エリア: 中南米

 昨年11月のチリ大統領選挙を皮切りに今年14年にかけて、中南米諸国は大統領選挙が集中する政治の季節となった。10月に予定されるブラジル、ボリビア、ウルグアイでの大統領選挙を加えると、大陸部の半数に及ぶ9カ国で選挙による政権委譲が行われることになる(図表参照)。新興国の中では民主化の定着したこの地域の面目躍如といったところだ。

 全体では、チリ、コスタリカで新たに左派勢力が政権に就くなど、21世紀に入ってからの左派政権の潮流を引き継いだ形だが(拙編著『21世紀ラテンアメリカの左派政権』アジア経済研究所2008年参照)、資源価格の低迷などを背景に景気後退期に入る中で、10月に迫ったブラジル、ボリビア、ウルグアイの大統領選では、ボリビアを除くと左派現政権が苦戦を強いられる予想外の展開となっている。

 ブラジル、ウルグアイの選挙結果しだいでは、今後の中南米政治の動向に大きな影響が生まれる可能性が出てきた。とくにブラジルで政権交代があれば、南米の左派勢力を束ねる軸が揺らぐことになり、ベネズエラのチャベス後継体制の維持だけでなく、BRICS外交全体にも少なからず影響が及ぶことが予想される。

 

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執筆者プロフィール
遅野井茂雄
遅野井茂雄 筑波大学大学院教授、人文社会系長。1952年松本市生れ。東京外国語大学卒。筑波大学大学院修士課程修了後、アジア経済研究所入所。ペルー問題研究所客員研究員、在ペルー日本国大使館1等書記官、アジア経済研究所主任調査研究員、南山大学教授を経て、2003年より現職。専門はラテンアメリカ政治・国際関係。主著に『21世紀ラテンアメリカの左派政権:虚像と実像』(編著)。
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