「サンキューコール」を米国に拒否された背景

2006年10月号
カテゴリ: 国際 外交・安全保障
エリア: 中東 日本

 イラクのサマワに駐留した陸上自衛隊が今年七月に撤退を完了。ブッシュ米大統領も小泉首相との日米首脳会談で「住民生活向上に貢献している」と陸自の活動に感謝したが、アメリカ政府の一部は、感謝どころか防衛庁に不信感を募らせていた。 関係筋によると、日本政府がイラク、米英両国など関係国の国防相、国防長官に対し、額賀福志郎防衛庁長官から電話で撤退完了の「サンキューコール」をしたいと打診した際、イギリスやイラクなどは快諾し、電話をかけた額賀氏に対しても自衛隊の貢献への返礼を述べた。ところが、米側は必要ないと拒否し、額賀氏はラムズフェルド国防長官に電話することもできなかったという。 実際に拒否したのは、国防総省で日米関係を一手に担うリチャード・ローレス国防副次官だったとされる。在日米軍再編で焦点だった沖縄・普天間飛行場の移設問題で譲歩しなかった防衛庁への「意趣返し」(日本政府筋)をしたとの見方がもっぱらだ。ローレス氏は事前に旧知の外務省関係者に相談したが、この関係者は「電話を受けなくてもいい」と進言したとされている。 在日米軍再編問題での防衛庁と外務省の足並みの乱れはひどかったが、それにしてもこれほどだったとは。

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