「ポイント経済」はどこまで増殖するのか

2006年10月号
カテゴリ: 経済・ビジネス 金融

いつのまにか人々の生活に浸透していた「ポイント制」。電子マネー普及と相俟って“疑似通貨”となり、金融政策にすら影響を――。 全日空は今年、自社のマイルから楽天のポイントへの交換を、一時的にだが休止した。キャンペーン期間などを除けば、現在は楽天から全日空への移し替えだけができる。 ポイントの相互交換を始めたのは二年前。航空大手と、インターネット関連業界の雄の提携は話題を集めた。だがフタを開ければ、利用者の多くが全日空で貯めたマイルを楽天に移すという一方的な流れになった。なぜこんな事態になったのか。 背景を探っていくと、「ポイント社会」の到来といってもいい、日本経済の大きな転換点が見えてくる。 ポイントサービスの代表格は航空会社のマイレージだ。利用した航空機の移動距離に応じてマイルが付与され、貯まったマイルは一定の条件で航空券に交換できる。一九八〇年代に米国の航空業界で始まったサービスだが、日本でも貯蓄好きな国民性にマッチしたのか、会員数は右上がりに伸びた。日航と全日空を合わせれば三千二百万人を超え、実に国民の四人に一人がマイレージ会員という計算になる。 マイレージ市場がここ数年で急拡大したのは、「航空会社との提携企業が一気に増えたため」(日航幹部)。マイレージの隆盛に刺激を受けたカード会社や流通会社がマイレージに似たポイントシステム(購入金額に応じてポイントが貯まり、そのポイントで新たに商品がもらえたり、次回以降の買物が値引きされたりするサービス)を整備し、さらにマイルとの交換を可能にしていったのだ。

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